旅行者のためのベトナム安全情報

こんな手口に騙されないで!知っておきたいベトナムでのトラブル。

シンチャオベトナムナビです。日本からの駐在員や旅行者が多いベトナム、近隣諸国に比べると比較的安全な国ではあるものの、タクシートラブルやひったくりなど物騒な事件も後を絶ちません。日本領事館へ行けば外務省から出ている「海外安全 虎の巻」という冊子がもらえますが、これは世界各国で起こるトラブルをまとめたもの。今回ナビは渡越前に知っておきたい「ベトナム安全情報」をご紹介します。せっかくの海外旅行、トラブルに巻き込まれないためには、滞在先でどういうことが起こっているのか知っておくのも大切ですよね。

凶悪化する「ひったくり」最近は凶器が使われることも

ドンコイ通りとレロイ通りの交差点

ドンコイ通りとレロイ通りの交差点

ベトナム生活でよく聞くトラブルのひとつが「ひったくり」。日本人などの外国人だけでなく、ベトナム人も多く被害に遭っているのが特徴です。ハノイやホーチミンなど大都市では旧正月(テト)前のお金が必要になる時期になると「ひったくり事件」が激増します。領事館から「注意喚起」が促されるほど。もちろんテト前だけでなく、普段から気をつけることが大切です。最近はナイフを使うなど手口が荒くなって来ているので、襲われた場合でも抵抗したり追いかけたりせず、生命の安全を第一に考えてくださいね。
<エリア>
ホーチミン1区ドンコイ通り、レタントン通り、ハイバーチュン通りなど外国人の多いところ。レストランやホテルへの出入りの際や交差点など。

<手口>
後ろから来た2人乗り(1人の場合もあり)のバイクに追い越しざまにカバンをひったくられる、ネックレスを引きちぎられる。

<ポイント>
安全だと思われていた「カバンの斜めがけ」は実は危険です。背後からカバンのストラップをつかまれ、バランスを崩した被害者が転んだ隙にバッグを奪って逃げます。ストラップが切れた場合はまだ良いのですが、転倒させられた上にカバンごと引きずられ大けがをすることも。近頃はお金を持っていそうだという理由で男性が被害にあうケースも増えているようです。

<回避法>

ひったくり犯に狙われた場合は被害回避をするのは困難です。車道側にバッグを持たない(といっても歩道を走行するバイクもあるので注意)。夜間の街歩きは特にまわりに気を配る。狙われない様に、スマートフォンや現金などは人前に極力出さないようにする。パスポート、クレジットカード、宝飾品など貴重品は持ち歩かない。可能なかぎり手ぶらであるくことを推奨しますが、旅行者はカメラも携帯も持ち歩きたいですよね。ナビは最低限のお金とスマートフォンを小さなポシェットに入れ、上からカーディガンを羽織り、外からポシェットの存在がわからないようにしています。そして地図やタオルなどそんなに大切ではないものはエコバックに入れ手に持っています。日本人というだけで目をひくのですから、極力目立たない格好をするのことも大切です。
ATMを出た所を狙われるケースも

ATMを出た所を狙われるケースも

道路は混雑、犯人を追いかける事は不可能

道路は混雑、犯人を追いかける事は不可能

トランプ詐欺、いかさま賭博

ナビもレライ通り沿いのこの公園で声かけられました

ナビもレライ通り沿いのこの公園で声かけられました

シンガポール人、フィリピンなど近隣諸国の外国人が関与することも多い「いかさま賭博」。相手は英語を話す若者だったり兄妹だったり、フレンドリーで自然な出会いを装うため、詐欺だと気づくのが遅くなりがちなのがこの手の犯罪です。アジトに連れて行かれると相手は大人数で迫り、断り難い雰囲気を作られます。賭博には全く興味のない一人旅の女性が騙されるケースもあり、全ての人が注意したいトラブルです。
<エリア>
有名観光地、公園、屋台、レストランなど

<手口>
1)声をかけられる
郵便局で「日本の友達にハガキを出したいのだけれど、日本語のチェックして欲しい」。食事をしているレストランで隣に座った外国人と英語で会話をするうちに。街なかで「あなたの靴素敵ですね、どこで買ったのですか?」など自然なかたちで近づいてきます。

2)移動する
話をするうちに、「来月日本に行く家族に日本の事を教えてあげて欲しい」などと誘われ、これに応じるとタクシーやバイクなどで別の場所に移動します。移動した先は家や別荘、ホテルの一室などさまざま、家の場合は「食事をどうぞ」など家族があたたかく迎え入れてくれることも。

3)賭博の話を持ちかけられる
その後、「実はここは賭博の会場で、これからお金持ちのカモがやってくる。必ず勝つ方法を教えるから手を組んでお金を巻き上げよう」と誘ってきます。賭けをする前に、デポジットを預けろと言われたり、お金がない場合はATMまで連れて行かれたり、クレジットカードで貴金属を買わせたりすることもあります。最初は勝つ賭け事も最終的には負け、現金、購入した貴金属などはすべて没収されます。

<ポイント>
親切そうな家族や兄妹など全員グルです。「これからお金持ちのカモが来る」と言われた場合、カモは100%あなた自身です、目を覚ましましょう。

<回避法>
日本人なら小学生でも知っている基本の知識、「知らない人について行かない」これに限ります。タクシーやバイクに乗るのは、地理に疎い旅行者にアジトがどこかわからにようにする為。万が一アジトに連れて行かれ「いかさま賭博」だと気づいたら、理由はなんでもいいので、最悪理由はいわなくてもいいのでその場から離れましょう。相手は犯罪者です、さきほどまでの親切なそぶりはすべてあなたをカモにするため。ナビの聞いた話では、「全速力で走って逃げた」という体力に自信のある方と、ATMに連れて行かれた際「このカードは海外ではお金をおろせない」とウソをついて相手を諦めさせたという知性派がいます。ともあれ「知らない人について行かない」これさえ守ればこの手の犯罪は未然に防げます。

またベトナムでの賭博は、公認された場所(ホテルのカジノなど)で、外国人である証明書を所持している場合を除き犯罪です。賭け事のスリルを味わいたいという方は、5つ星ホテルのカジノをお勧めします。が、カジノからの帰り道は「ひったくり」にくれぐれも気をつけて下さいね!

両替、釣り銭のトラブル

両替チェックはカウンター前で

両替チェックはカウンター前で

日本では考えられないのですが、ベトナムでは旧札や破れたお札はお金としての価値がありません。指定の銀行で手続きすれば破れたお札は交換してもらえるようになりましたが、時間の限られている旅行者には大きな負担になりますよね。ナビのまわりでは破れたお札を手にし、何度も使用しようとして断られ続け2ヶ月後にやっと使えたという在住者もいます。高額紙幣は利用する際にじっくりチェックされますし、一度破れたお札を手にしてしまったら使用するのは困難だということを覚えておきましょう。
また、旧札である緑色の5万ドン札と、茶色の10万ドン札は2007年から流通が停止され使用できません。

<回避法>
旧札や破れたお札は受け取らない。欠けもダメ、セロテープで修復してあってもダメです。もし釣り銭や両替時に旧札や破れた札が入っていた場合は突き返してください。別のお札と取り替えてくれます。
また、海外旅行の基本ではありますが、両替時のお金のチェックはカウンターの目の前で行って下さいね。カウンターを離れてから「お金が足りない」と言っても後の祭りです。

交通機関

■ ぼったくりタクシー/偽タクシー
タクシーはメーター制です。表示価格はベトナムドン、支払いも基本的にドンです。安全と言われるタクシーでも、小額の場合おつりをくれない。微妙に遠回りするなど気になることはあるのですが、比較的安全に利用できます。しかし中には、メーターを倒さない。メーターの回転が早すぎる(俗にいうターボメータータクシー)。メーターはドル表示だと言われる。こんなタクシーに遭遇することも。乗ってしまったらすぐに降りましょう。ただし、ベトナムのタクシーは運転手が操作しないと内側からドアを開ける事が出来ないのでご注意を。
また、通常車内には運転手の顔写真が表示されていますが、写真の顔と運転手が別人なんてことも。ドライバーが空き時間に別人に車を貸していることもあるそうです。信頼できるタクシー会社を選びましょう。

<回避法>
タクシー会社を選んで乗りましょう。安全と言われているのは「マイリン」「ビナサン」などです。このほど、在ホーチミン日本国総領事館のサイトより「ぼったくり防止カード」がダウンロードできるようになりました。ベトナム語で「私は領収書が必要です」と書かれた下に、「行き先」「会社名」「車両番号」等を記入する欄があり、記入し運転手にこのカードを見せる事によって犯行防止効果が期待できます。また、万が一トラブルに遭った場合も会社名と車両番号を控えているので、犯行車両と犯人を特定する事が容易になるということです。このようなカードが在ホーチミン日本国総領事館から出されているということで、日頃どれだけタクシートラブルが多いのか分かっていただけるでしょうか。

■ シクロトラブル

値段交渉をして乗る観光客相手のシクロはトラブルが絶えません。「この人は親切で良い人です」など日本語で書かれたノートを見せて来る運転手もいますが、あなたが利用する時も親切で良い人とは限りません。

<回避法>
どうしても利用したい場合は料金は相場よりちょっと高いかもしれませんが、信頼できる旅行会社に依頼するのがベター。ぼったくりに遭って嫌な思いをするより、安心して乗りたいですよね。

■ バイクタクシー

現地の人は普通に利用しているバイクタクシー(セオム)ですが、料金交渉を自分でしなくてはならないので、相場のわからない旅行者には利用し難いです。ぼったくられた事に気づかないなんてことも。また、交通事故に遭ってもバイクタクシーの運転手が保証してくれるわけではありません。ヘルメットも日本のヘルメットと違い安全基準がないので、事故の際どこまで耐久性があるのかも謎。ナビの知り合いでは乗っていたバイクタクシーが事故に遭い、道に放り出され骨折。入院したことで日本から家族がかけつける事態になりしばらく家族に頭があがらなかったという人も。

<回避法>
交通事故回避は不可能。ハノイやホーチミンは交通量が多いにも関わらず信号機が少なく、運転が荒いドライバーも多いです。バイクタクシーはさまざまなリスクを知った上で心して利用してください。とはいえ、ぼったくりなどは一部の運転手、ホーチミンで生活していると、道を教えてくれたり良いセオムドライバーさんも沢山いるんですよ。
ベンタン市場前のシクロ

ベンタン市場前のシクロ

客待ちするセオム

客待ちするセオム

その他、気をつけたいこと

■ スリ、盗難
人ごみではスリに気をつけるのはどこにいても基本。市場や繁華街など混雑する場所では身の回りの物に特に注意して下さい。また、子供の物売りは元締めがいる場合が多いです。沢山の子供が群がって来て、アタフタしているうちに財布をすられていたなんてことも。

■ 蓮茶詐欺
ベトナムで一般的に飲まれている蓮茶。レストラン出て来る冷たい蓮茶は美味しいですよね。街なかで知り合った人や、タクシーやバイクタクシーの運転手が親切を装ってお茶屋に連れて行くこともあります。そういった人に案内されたお店では高額なお茶をすすめてきます。お茶の価値を見極める自信のない人は高額なお茶を購入しな いほうがベター。必要ないものは必要ないと断りましょう。スーパーなどで売っている蓮茶で十分おいしいですよ。

■ 路上屋台の食品について
アジアの魅力のひとつでもある路上の屋台。ここベトナムでもたくさん見る事ができます。バインミー、おこわ、パンケーキ、トウモロコシ、ベトナムコーヒーどれもおいしそう。現地の人が行列して買っている屋台もあったり、食べてみたくなりますよね。でも、気をつけてください。衛生基準を満たしている屋台はほぼゼロです。水道がない屋台ではバケツに汲んだ水を使い回しています。清潔な水を使っているところはないと思ってください。食べてお腹を壊す人もいるでしょう、食べても大丈夫な人もいるでしょう。自己責任でトライしてくださいね。

■ 大気汚染
品質の悪いガソリンで白煙を巻き上げながら走るバイク。目下大成長中のベトナムではところどころで大きな開発工事が行われていて、砂埃も多く空気が悪いんです。そこでナビがおすすめするのがマスク。市場、スーパー、路上で低価格で簡単に購入できます。布で出来たマスクは色柄も豊富で意外におしゃれ、日焼けも防げて一石二鳥ですよ。

■ 麻薬中毒者
夜の公園は麻薬中毒者の集いの場であるとの噂。ナビは恐くて近づいたことはありません。それでなくても街灯も少なく暗いので、夜の公園には近づかない方が良いですよ。

■ 狂犬病

狂犬病の注射は時間をあけて3回接種する必要があります。1週間程の旅行のためにこのコストと時間は大きな負担になりますよね。が、ベトナムでは狂犬病で毎年多くの人が命を失っているのも事実ですし、感染源が犬だけでないのも恐いところ。ホーチミン市内でも野良犬なのか、飼い犬なのか街を自由に歩く犬を目にすることもありますし、飼い犬でさえも狂犬病の注射をしている可能性は低いです。現地では犬に近づかない、万が一犬に咬まれたら病院に直行してくださいね。
路上で売られるスイーツ、購入の際はお腹と相談を

路上で売られるスイーツ、購入の際はお腹と相談を

屋台料理は安くておいしい

屋台料理は安くておいしい

夜のベンタン横の賑わい、スリに気をつけて

夜のベンタン横の賑わい、スリに気をつけて

観光客でにぎわう夜の屋台

観光客でにぎわう夜の屋台


犯罪や事故に巻き込まれる可能性はどこにいたって一緒。海外旅行だと開放的な気分になりますが、日本にいるとき以上に気を引き締めて、トラブルを避ける努力をしつつ旅行を楽しんで下さいね。万が一被害にあった場合は警察と領事館へ連絡しましょう。みなさんのベトナム旅行が最後まで楽しく安全であることをナビは願っています。以上ベトナムナビでした。

その他情報

※記事内の内容は2012年1月現在のものです。
関連タグ:安全情報基本情報

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-02-15

ページTOPへ▲

その他の記事を見る