ベトナム語講座第4回~ こんにちは。お名前は?

異国の地に来たら、まずはあいさつの言葉を覚えたいものです。あいさつを交わすついでに相手の名前を聞くことができれば、距離もグッと縮まるはず。旅行に必須のこのフレーズ、ぜひマスターしてみてください。
●チャオ + あなた
メコンデルタツアーに参加したところ、ベトナム人女性のガイドさんがつきました。彼女に日本語であいさつされる前に、先手を打ってこちらからあいさつしてみましょう。
「 Chào chị . チャオ チ (こんにちは)」

これからお世話になりますので、名前も聞いておきましょう。
「 Chị tên gì? チ テン ジー (お名前は?)」
「チャオ アン!」
この制服を着ている彼らはTourist Security、観光客が道を渡る時などに助けてくれます

「チャオ アン!」 この制服を着ている彼らはTourist Security、観光客が道を渡る時などに助けてくれます

●「あなた」と呼べば
「 Chào チャオ」は「おはよう、こんにちは、こんばんは、さようなら」に当たる便利な表現。「 Chị チ」は、女性への呼びかけの「あなた」です。前回「 Anh ơi! (すみませーん!)」で出てきた「“あなた”の呼び分け」をここで復習しましょう。
Anh (アン) 同い年~年上 の 男性に
Chị (チ) 同い年~年上 の 女性に
Em (エム) 明らかに年下 の 男性・女性に
ですので、「こんにちは」はそれぞれ以下のようになります。
「 Chào anh. チャオ アン」
「 Chào chị. チャオ チ」
「 Chào em. チャオ エム」
「チャオ チ!」
店員さんとの会話がはずめばもうちょっと負けてくれるかも

「チャオ チ!」 店員さんとの会話がはずめばもうちょっと負けてくれるかも

第1回でご紹介した「 Cảm ơn ありがとう」も、文末に「あなた」を加えるとより自然な表現になります。
「 Cảm ơn anh. カムオーン アン」
「 Cảm ơn chị. カムオーン チ」
「 Cảm ơn em. カムオーン エム」

「お名前は?」というフレーズは文頭に「あなた」が来ているので、そこを入れ替えます。“ tên テン”は「名前」、 “ gì ジー”は「何」という意味です。
「 Anh tên gì? アン テン ジー」
「 Chị tên gì? チ テン ジー」
「 Em tên gì? エム テン ジー」

ベトナムでは兄弟姉妹の間の呼びかけにもこの「 Anh Chị Em 」が使われます。お兄ちゃん、お姉ちゃん、妹よ、弟よ、というふうに。ベトナム人と話していてふと相手のことを兄弟姉妹のように近く感じる瞬間があるのですが、それはこの「 Anh Chị Em 」と呼ぶことが影響しているのかもしれません。
●声調をイメージする
「 Chị チ」のiの文字の下についている小さな点は、6種類ある声調(音の上がり下がり)のうちの一つで、「低く止める音」を表しています。「 Chào チャオ」を下がり調子に発音し、そのオの音程よりもわずかに低い音で「 Chị チ」と言います。苦しまぎれに説明を加えると、日本語で「はぁ、きっと忘れられてる・・・。」と言う時の「はぁ、き」までの音程に乗せて「チャオ チ」と言ってみてください。以下、「カギカッコ内の記号」で声調の大まかなイメージをつかんでいただければと思います( Anh と Em は同じ声調です)。
Chào chị. チャオ チ 「 ➘ 。 」
Chị tên gì? チ テン ジー 「 。  ̄ ➘」
Chào anh. チャオ アン 「 ➘  ̄ 」
Anh tên gì? アン テン ジー 「  ̄  ̄ ➘」

●使ってみました
チョロン地区の五つ星ホテル、ウインザープラザホテル(Windsor Plaza Hotel、住所:18 An Dương Vương , Q.5)にやってきました。30歳の私から見て、フロントにいるあの女性は年上なのか、年下なのか?ベトナム人女性って小柄で若く見えるけど実は年上だったということもよくあるからなぁ。初対面だし、ここは丁寧に「 Chị 」でいこう。
<タオさん>

<タオさん>

私:「 Chào chị. チャオ チ (こんにちは)」
予約なしで行ったので、空き部屋があるか調べてもらいます。その間に、聞いてみました。

私:「 Chị tên gì?  チ テン ジー (お名前は?)」
笑顔の素敵な彼女は、つけている名札を見せてこう言います。
フロント:「 Thảo (タオ)です。 Chị tên gì? (お名前は?) 」

私:「 Tôi tên Kozu. トイ テン コズー (私はコズーです。)」

「 Tôi tên ~ (トイ テン ~)」は、「私の名前は~です。」の意味です。
つづいて某スパにやってきました。奮発して90分のホットストーンマッサージを受けることに。私を担当してくれる女性がやや緊張の面持ちで出てきて、片言の英語でロッカーの使用法を説明しています。よし、ここで聞いてみよう。

私:「 Chị tên gì?  チ テン ジー (お名前は?)」

スパの人:「 Như (ニュー)です。あれ、ベトナム語話せるの?」
彼女の表情から明らかに硬さがとれました。口数も増え、なにやら早口で説明しながら私にシャンプーハットをかぶせてくれます。
施術後、とても上手だったので、確認の意味を込めて聞いてみました。

私:「ええと、名前は確か・・・」

N:「ニューだって。私は28番。」
名前が覚えられなくても、番号を覚えておけば次回から簡単に指名ができるしくみになっています。

思い返すと、今までベトナム人に名前を聞いてみて「なんでそんなプライベートな情報を・・・?」と不審がられたことはありませんでした。それは私が外国人女性だから、ここがベトナム南部だから、などの要素もあると思いますが、「もともと対人距離の近い国だから」ということが大きいと思います。みなさん、ベトナムで出会った人に名前を聞いて、なんともいえない発音の名前をぜひ旅日記に記してみてください。それでは、また次回!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-01-12

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