ベトナム語講座第1回~旅先で、ありがとう

こんにちは。ホーチミン生活3年目、日々ベトナム語と悪戦苦闘しているコズーと申します。旅行者のみなさまに役立つフレーズをご紹介し、街に出て実際にそのフレーズを使ってみた様子をご報告していきたいと思いますので、是非お付き合いください(南部表現を中心にしています)。
●なんたるフレンドリーさ
ベトナムの魅力は、ベトナム人にあります。東京という無機質な所で育ったからか、私がまず衝撃を受けたのは人々のフレンドリーさでした。道を渡りたいのにバイクの列が途切れず途方に暮れていたとき、見知らぬ女の子がサッと手を引いて渡ってくれたことがあります。ノックアウトです!また、レストランでメニューの内容がわからず困っていると5、6人の店員さんが集まってきてああでもない、こうでもないと助けようとしてくれます。恐縮です!さらには道端に座っている知らない人が、意味もなくほほ笑んでくれることさえあります!(この点ははじめの「つっこめ!サイゴン」第3回 につっこみどころが満載です。)これがもし東京の電車内だったら、他人に微笑みかけるだけで9割方いぶかしがられますよ。ホーチミンの人たちはなんとも近づきやすい人々だと言えるでしょう。ならば、是非とも現地の人たちと言葉をかわして、旅の思い出を増やしたいではありませんか。
● まずは、「ありがとう」
前述の、見知らぬ女の子が手を引いて道を渡ってくれたときのこと。「あ、あのっ・・・」と私が口ごもっている間に、彼女はさっそうと行ってしまいました。あぁ、あの当時の私の口からこの一言がスラッと出ていたら。ということで、まずは大事なこの一言、「ありがとう」を練習してみましょう。
Cảm ơn.  カム オーン ありがとう
「Cảm 」の“a”の音は、日本語の「あ」より口を横に大きくあけて発音します。アメリカ英語でいうところの「アとエの間の音」、“apple”の“a”に近い感じです。恥ずかしがらず、思いきりパカッと口をあけて発音してみてください。「 ơn 」の“ ơ ”の音は、これまた日本語の「お」とちょっと違うんです。日本語の「え」の口の形をがっちりキープしたまま「お」という努力をする、そんな感じで近い音が出ると思います。

日本語には「あいうえお」の5つしか母音がありませんが、ベトナム語にはなんと11もの母音が!学習者にとっての泣きどころのひとつであります。ただ、「カムオーン」に関しては西洋の方が“Come on.”と言っても通じていますから、そんなに細かいことは気にせず使ってみてください。どうしても正しい発音を知りたい!という方は、ベトナムに来てから若い女性をつかまえて「ビューティフル!」とほめてみるのも手です。素敵な笑顔とともに「カムオーン」という返事が返ってくることでしょう。
<中央郵便局のお姉さん>

<中央郵便局のお姉さん>

● 使ってみました
ダイヤモンドデパートのインフォメーションセンターには、きれいなお姉さんがふたり座っています。今は開店8周年記念で、黒地にピンクがアクセントのスタッフポロシャツがトレードマーク。そのうちのひとりに「トイレはどこ?」と聞いてみると、慣れた様子ではきはきと答えてくれました。私の「カムオーン」に対して返ってきたのは
Không có gì. ホンコージー どういたしまして
というフレーズ。

つぎは中央郵便局のお土産売り場で働いているアオザイを着たお姉さんに、「写真を撮ってもいいですか?」とお願いしてみました。彼女のアオザイは水色に花柄、首の部分が大きくあいた南部発祥の動きやすいデザインになっています。実は断られるかなと思ってしばらくモジモジしていたのですが、頼んでみるとあっさりOKしてくれました。撮影後の「カムオーン」に対して、彼女からもハニカミながらの「カムオーン」が返ってきました。写真を撮ってくれてありがとうってこと?なんだかとてもさわやかな気分。なんか買ってあげればよかったなぁ。
<ベトナム語の先生>

<ベトナム語の先生>

つづいて、ベトナム語の先生に質問をぶつけてみました。熱心で授業後にも快く質問を受けてくれるT先生です。
「カムオーンの表記には『 Cảm ơn 』と『 Cám ơn 』がありますが、どちらが正しいですか?」
「あ、それはどちらでもいいです。方言の差でもありません。 Cảm ơn を早く言うと Cám ơn になったりします。」
なるほど、わかりました。先生、カムオーン。返ってきたのは
Không có chi. ホンコーチー どういたしまして」。
最後が「チー」となるのは中部、南部の出身の人に多い答え方だそうです。
そのほか、ジューススタンドでメニューにないブレンドを頼んでみたり(ニンジンとオレンジをしぼってミックスできる?氷少なめでね!)、携帯電話屋さんでプリペイドカードを買った後にチャージするのを手伝ってもらったりと、この一週間カムオーンを連発してその反応を観察しました。中には無愛想な人もいましたが、なんといっても一番多かったのはほほ笑みだけが返ってくるケースでした。この国では笑顔がいぶかしがられませんから、みなさんも思い切ってニコッと笑ってみてください!
次回は、市場でのお買い物に役立つ一言をご紹介したいと思います。それでは、また。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-09-30

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