ベトナム語講座第3回~レストランで注文する

旅先では食事の一回一回が貴重な思い出になります。だからこそ、毎回外さずにおいしいものを食べたいところです。でも、メニューを前にしてハテどれを注文していいのやら・・・。そんなときに、この表現を使ってみてください。
<おいしい料理に出会いましょう> <おいしい料理に出会いましょう>

<おいしい料理に出会いましょう>

●オーイ!
まずは手を挙げて「すみませーん!」と店員さんを呼びましょう。
「 Anh ơi ! アン オーイ! (すみませーん!)」

開いたメニューの上、または目の前に並んでいる料理の上で、指を使って選ぶジェスチャーをしながら、問いかけるような表情でこう言います。
「 Món nào thì ngon? モン ナオ ティー ゴーン? (どれがおいしい?)」
<なかには少年の店員さんも>

<なかには少年の店員さんも>

●君がいるから僕がいる
ベトナム語には、「あなた」に当たる言葉がたくさんあります。たとえば自分と同じぐらいの年または自分より年上の男性に呼びかける時には “ Anh (アン)”を使い、自分と同じぐらいの年から年上の女性には“ Chị (チ)”、明らかに自分より年下の男性・女性には“ Em (エム)”・・・などなど。旅行中にはとりあえずこの3種類を使い分けてみましょう。上記の「アン オーイ」は、男性の店員さんに向かっての「すみませーん」になります。
Anh ơi! アン オーイ (男性に)
Chị ơi! チ オーイ (女性に)
Em ơi! エム オーイ (明らかに自分より年下の男性・女性に)

「あなた」でどの言葉を選んだかにより、なんたることか、「私」を指す言葉も変わってきます。が、ひとまず「私」は“ トイ”でいってみましょう。
<なににしようか考えるのも至福のひと時>

<なににしようか考えるのも至福のひと時>

● 「モン ナオ ティー ゴーン?」発音のコツ
「 Món モン」は日本語の「モン」と「マン」のあいだの音を出してみてください。それを上がり調子で。 「 nào ナオ」と「 thì ティー」は下がり調子です。

最後に「 ngon ゴーン」。まず、「ゴ」の部分は鼻濁音です。東北出身の方は問題ありませんね。鼻濁音ってナニ?という方は、「りんご」の「んご」、「はんが」の「んが」のところをちょっと意識してみてください。そのやわらかな音をしばらく忘れずに。口のあき具合は、日本語の「ゴ」と「ガ」のあいだです。声調は、上がりも下がりもしないでまっすぐ。

さて、すべてを合体させて発音してみましょう。
Món nào thì ngon?  モン➚ ナオ➘ ティー➘ ゴーン→

● 使ってみました
<サイゴントレードセンター>

<サイゴントレードセンター>

<今の時期にはクリスマスツリーが>

<今の時期にはクリスマスツリーが>

<パノラマ33の32階>

<パノラマ33の32階>

ホーチミン市で一番高いビル、サイゴントレードセンター(住所:37, Tôn Đức Thắng )にやってきました。最高気温32℃という気候の中、クリスマスツリーが出迎えてくれます。ここの最上階32・33階には、“パノラマ33”というレストランがあるんです。
景色がよく見える席を選んでから、メニューを開きます。ここのメニューは英語・ベトナム語、しかも写真入りなのでかなり親切。よし、なにがおいしいか聞いてみよう。さっそくウェイターさんを呼びます。

私:「アン オーイ! (すみませーん!)」

仲間とのおしゃべりをやめて、ウェイターさんが笑いながらやってきます。

私:「モン ナオ ティー ゴーン? (どれがおいしい?)」

ウェイターさん:(以下ウェ)「あぁ、これ。これがおいしいよ。」
ウェイターさんがまっさきに指さした料理は、一番高い「リブアイステーキセット(A)」。

私:「へぇ・・・。こっちの料理(B)とよく似てるけど?Bの方が安いし。」
<A:リブアイステーキセット、28ドル>

<A:リブアイステーキセット、28ドル>

<B:サーロインステーキ、20ドル>

<B:サーロインステーキ、20ドル>

<33階より、2区の方面を眺める>

<33階より、2区の方面を眺める>

ウェ:「Bはおいしくないよ。Aの方がいい。」

私:「え・・・、AとBの肉はどう違うの?」

ウェイターさん、ここでまじまじとメニューを見くらべます。

ウェ:「うーん・・・、同じ、かな。」

私:「『Bはおいしくない』ってさっき言ったじゃん!」

エヘヘと笑うウェイターさん。
こんな人間くさい接客もベトナムらしさを感じる一場面です。ちなみにベトナム人は「ごめんなさい」の時に「許してね」の意味で笑うケースがありますので、みなさん誤解なさらぬよう、心は広さ3割増しでお願いします。

このレストランの食事は洋食中心、値段もそこそこするので「旅行者の方に特別オススメ」という感じではないのですが、ただ景色を買うには最高の場所です。サイゴンを上から眺めながら、パフェやハンバーガーなどの軽食(約5~9ドル)、またはコーヒー・お茶(約5,6ドル)で一息つく、という形もありなのではないでしょうか。
外食するたびにこのフレーズを試してみました。店員さんがまっさきに「これがおいしいよ!」とすすめてくれる時は(それが一番高い料理でなければ)注文してみる価値大です。一方、「モン ナオ ティー ゴーン?」が無事通じた後、答えが返ってくるまでに5秒以上かかる場合は、イマイチな料理が出てくることもありました。

また、「どれがおいしい?」というフレーズなので「どれもおいしいよ!」という返事が返ってくるのもまたお約束。そんなときは引きつづき店員さんをじっと見つめつづければ、なんらかの提案が出てきます。

みなさんがお目当ての料理を楽しめるよう、健闘を祈ります!それでは、また次回。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-12-10

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