ベトナム語講座第2回~市場でお土産を買う

みなさん、値段交渉は得意ですか?固定価格に慣れている我ら日本人にとって、苦手分野と言えるのではないでしょうか。私も例にもれず、来越当初はタジタジでした。が、今では多少空気がつかめた感がありますので、市場でのお買い物に役立つフレーズとコツをご紹介したいと思います。
● とりあえず言おう、「高すぎる!」
売り子さんが最初の言い値を切り出します。頭の中で計算して「ふぅーん、まぁ買えない値段じゃないかな。」と思うかもしれません。しかし、計算なんかする前にすばやくこう言ってみてください。
Mắc quá!  マックワー! 高すぎる!」

ほとんどの売り子さんはここで

「 Không mắc đâu! ホンマックダウ (ぜんぜん高くない!)」、

「 Đúng giá!  ドゥンヤー (正規の値段!=ぼったくってないよ!)」

と返してきます。そうしたら
Bớt đi  ボッディー (安くして)」(もしくは英語の「ディスカウント」など)

と言って値引きを要求。そこで下げてくれないときは、あっさりと「じゃあ買わない」という態度で商品を置きます。必要であれば、店を出ていくそぶりも。ここで呼び止められれば、交渉の始まりです。売り子さんは電卓を手にしていることでしょう。あとはみなさんのがんばり次第!値段と自分の割けるエネルギーとを天秤にかけて交渉します。

●学習者の泣きどころ その2、声調
ベトナム語には声調というものがあります。例えば同じ「マー」でも、音が上がるもの、下がるもの、さらには一度下がってから上がるものなど、その数6種類。今回のフレーズは、マッ ➚ クワー ➚という感じで上がり調子に言ってみてください。日本語でいうと、なにか聞き返すときに「えっ?」と言いますが、それに近い上がり方です。
● 値引いてもらうコツは?
ベトナム語ができなくても、日本語や英語が通じる売り子さんは多いです。以下のようなコツもありますので、参考にしてみてください。

² 売り子さんを、楽しませる。
売り子さんは、若い女性が多いです。お話しや冗談が好きで、外国人との会話を楽しんでくれる子もいます。笑顔で「何歳なの?結婚してるの?出身地域はどこ?ベトナム人女性ってすごいきれい!」なんて話がはずんだら、さらに値引きしてくれることがあります。

² 値引きの権限を持っているのは誰か、見極める。
接客している売り子さんに、値引きの権限がない(または限られた範囲での割引しか許されていない)場合があります。そんなときは「オーナーさんに、聞いてみてくれる?」と言ってみましょう。その場にオーナーさんが居合わせれば、すかさず値段交渉の相手をスイッチします。

² 友達を紹介すると言う。
ぐるっと店内を見回してお店の名前を聞いてから、「安くしてくれたら日本人の友達にこのお店を紹介するよ!」と言うのも、わりとポイント高いです。

他にもよい手をご存じの方、ぜひ教えてください!
● 使ってみました
やって来たのはドンコイ通りにあるラッキープラザ(住所:69 Đồng Khởi)。あ、あのサイフ、かわいい。でも、ここで物欲しそうな顔をしたらダメ!ほかの商品も目線に入れながら、何気ない風を装って目当ての物を手にします。即座に近づいてきた若い女性の店員さんに言われたのは・・・

店員さん(以下、店):「150,000(約1050円)ドンです。」

私:「マックワー!(高すぎる!)」

店:「じゃぁいくらで買う?安くしてあげる。130,000ドンでどう?」

私:「その値段じゃ、夫の許可が下りないなぁ(悲しげに)。」

女性の店員さんだと、こういう話にしんみりと同情してくれます。

私:「5ドルでいい?」

ドンの世界を離れ、とつぜんドルの世界に持っていってみました。
店員さんはここでちょっと頭の中で計算します。考える間があるってことは、売れる範囲か。手ごたえあり!すかさずドンの世界に戻します。

私:「80,000ドンでいい?」

考えた末、しぶしぶうなずく店員さん。おぉ、150,000ドンが80,000ドンになった。そのとき私はお財布を夫に預けていたので、離れた所で待ちくたびれている夫を呼びました。夫はわざと怖そうな表情で近寄ってきて

「なに買うの?いくら?そりゃ高い!ダメ、ダメ!」

と言い・・・最終的に70,000ドン(約490円)になりました。勉強してくれた売り子さんに言う言葉はもちろん

「 Cảm ơn (カムオーン ありがとう)」。
実際には、わずかしか値引きをしない(例:5%)とか、絶対に固定価格というお店も多いです。また、大幅に負けてくれた商品はそれなりの品質かもしれないということを頭の片隅に置いておいた方がいいように思います(上記のサイフはスリットがやや小さくてカードが入らなかった・・・)。
ちなみにベトナム人数名に意見を聞いてみたところ「『マックワー!』は売り手の人に失礼なんじゃないか」という人もいれば、「いや、市場で丁寧さは無用、強気で行かなきゃ。特に外国人はふっかけられるから」という人もいました。買う側にもいろいろあって、「外国人向けの相場を上げてしまうから」とできるだけ努力して値切る人、そうでなく「私にとっての70円とベトナム人にとっての10,000ドンは価値が違うから、助けてあげると思って」あえて厳しく値切らない人あり。最終的に自分の納得する値段で買えれば、よしとしましょう。それでは、また次回!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-11-11

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