「ベトナムのニュースから」第３回

タンニェン（Thanh Niên）紙の日曜版には、若者向けの恋愛相談欄、その名も「桃色畑（Vườn hồng）というコーナーがある。悩みを寄せるのは中学・高校生から家庭を持つ男女までと幅広い。回答するのはハト兄さん（Anh Bồ Câu）と呼ばれる人物で、ユーモアを交えた回答が特徴だ。今回はその中からいくつか紹介して、ベトナムの若者像に迫っていこうと思う。

質問：
私の夫は「男は蝶、女は花だ」と言います。花は一か所に咲いているけど、蝶は花から花へと飛ぶのが当たり前、だからぶつぶつ言ったり嫉妬したりするなと言うんです。私、どう答えればいいんでしょうか？

回答：
そしたら、旦那さんに「わかった」って言ってみてください。それで、あんたがふらふら他の花で遊んでる時に、他の蝶がふらふらと私の花にとまってもぶつぶつ言ったり嫉妬したりせず我慢してね、と言ってやりなさい。


質問：
長い間ひそかに想っている子がいるんだけど、告白するチャンスがありません（チャンスがあったとしても告白できないと思うけど）。この間グループ旅行でキャンプに行った時、地面に溝があって彼女が困っていたから、僕は思い切って彼女の手をひいて一緒に飛び越えてあげたんだ。これで僕の気持ちが伝わったかな？

回答：
伝わらないよ！溝なんかを飛び越える時じゃない時に手をひいてあげれば気持ちが伝わるかもしれないけど。

質問：
彼女のしている髪留めをこっそり盗んで記念の品にしたいのですが、いいでしょうか？すごく好きなのに、どうしても気持ちを打ち明けられません。

回答：
気持ちを打ち明けるには、言葉で伝えるだけではなく他にもたくさんのやり方がある。でもそのたくさんのやり方の中に「盗む」は入ってないぞ。それでも盗むと決めたのなら彼女の将来を盗みなさい。過去を盗んでどうすんの。


質問：
かっこいい男性って、きれいな女性しか好きにならないものですか？かっこいい男の人が、何の取り柄もないような女の子を好きになることってありますか？それも本気で。

回答：
あるに決まってる。何の取り柄もない女の子でも、かっこいい男性に気に入られたら、それはもう何の取り柄もない女の子じゃないってことだからね。あるフランスの小説家がこう言っています。「美しくて愛されるのは、普通の話。醜くても愛されれば、あなたは王女さまだ」と。

質問：
僕がそばにいない時に、僕の彼女が他の男と遊びに行ってないか知るにはどうしたらいいですか？

回答：
急いで結婚しなさい。


質問：
恋愛において一番怖いことはなんですか？

回答：
相手を間違えること。感情をはき違えること。

質問：
僕の好きな子が、「僕のことはお兄さんのように思ってる」って言ったのですが、僕の恋は散ったのでしょうか。

回答：
散ったもんか。君のことを「弟のように思ってる」って言われてから散りなさい。


質問：
ハト兄さん、人って愛情を音楽に乗せて伝えられるものですよね？例えば、あの子の隣りに座った時に、僕、歌ってみてもいいかな？

回答：
それも一つの方法だね。でも大事なのは君の歌声の質がどうかってこと。もしハト兄と同じぐらいの質だったら、音楽は愛情を伝えることができるだけでなく恋愛感情を壊すこともできるってことを証明することになるから。慎重に！

質問：
ハト兄さん、「男は誰でも一度は妻を裏切る」という話を聞きました。それって本当ですか？僕は男として妻をぜったい裏切りたくないと思ってるんです！

回答：
その話が本当かどうかは分からないな。世の中の男性一人一人に問い詰めてはっきりさせるなんてのは無理だからね。まぁ、君がそう決意してること自体がその「根も葉もない」噂を否定するのに一番いいんじゃないかな。世の中の男性の身の潔白を証明するために、君がその清く美しい夢を実現できることを祈ってるよ！