ホーチミンの7区ってどんなところ?

高級住宅街と下町風情が共存した異色の町

こんにちは、ベトナムナビです。今回はホーチミンの観光エリアである1区の隣、7区をご紹介したいと思います。ホーチミン市は1区から12区まで数字で区分けされていて、旅行者の多くが滞在するのは中心の1区となります。しかし、7区も近年はガイドブックで紹介されることもあり、また外国人に人気のレストランもあります。高級住宅街が広がる一方、下町風情漂うのどかな町並みも垣間見ることができる7区は、日本人からするとちょっと不思議な町。今回は7区の概要をご紹介したいと思います。

7区の場所

まず覚えておきたいのが7区の地理。1区の中心にあるのは、旅行者に人気のオペラハウス(市民劇場)。そのオペラハウスが建つ通りは、言わずと知れたドンコイ通りです。このドンコイ通りが1区の中心になるのですが、そこから南方へ向かい、サイゴン川の支流を橋で越えた先にあるのは4区となります。ホーチミン博物館があるのもこの4区ですね。7区はその4区の南に広がります。オペラハウスからはタクシーで約20分程度の距離となりますので、それほど遠くはありませんね。また、ベンタイン市場方面からも橋があるのでアクセスは容易。同じく車で20分程度で7区まで行くことができます。

高級住宅街フーミンフンとは

7区の中には、フーミンフンと呼ばれるエリアがあります。こちらは「高級住宅街」、「外国人街」、「コリアンタウン」などと呼ばれていて、少し特殊性のある町並みです。フーミンフンは現地人にとっては憧れの高級住宅地で、川沿いに広がる美しい芝、交通量が少なく、ベトナムでは大変高価な車が多い通りとみなされています。どこも小綺麗なレストランやカフェが並び、韓国料理をメインに日本食、アジア料理、西洋料理店なども多く点在しています。ビジネスで住んでいる外国人が多く住んでいるエリアですが、中でも取り分け韓国人が多いことから、コリアンタウンとも呼ばれています。
このフーミンフンができたのは、実は最近のことで、ほんの15年、20年前まで、この一帯は沼地でした。それが新興住宅街として政府が土地開拓を行い、現在ではホーチミンで最も土地価格が高いエリアの一つとなっています。高級マンションやビラの一軒家は借りようものならば、家賃は1500ドル以上。駐在員が主に住んでいるというよりは、駐在員しか住めないといった方が正しいかもしれませんね。また、ベトナム人の間では、お店や会社を起業した成功者が住む場所としても知られています。ゆえに、フーミンフンに住んでいる場合は、「私、7区に住んでいるの」とは言わずに「私、フーミンフンに住んでいるの」と言い、高いステータスともなっています。
和食、韓国料理、タイ料理店が一列に並んでいます

和食、韓国料理、タイ料理店が一列に並んでいます

のどかな町並み

のどかな町並み

のどかな町並みを散歩しよう

フーミンフンには観光客も最近は見かけるようになりました。とてもベトナムらしいとは言えませんが、東南アジアなど発展途上国では、必ずと言っていいほど、このようなあからさまに区別された高級住宅街があります。プール付きの高級マンションは24時間警備。豪邸のようなヴィラの前ではバスケットボールで遊ぶ少年少女。学校は私立のインターナショナルスクールに通わせているファミリーが普通で、子供たちが英語でしゃべっている風景はなんとも独特。
芝生では週末になるとBBQをする現地人で賑わったり、川のほとりでブライダルフォトの記念撮影をしている新郎新婦も珍しくありません。ホーチミンに住む若者にとっては、1区に続くデートスポットであり、お洒落なお店がたくさんあることで知られています。
●チャムチャーム

旅行者にも人気のレストラン「チャムチャーム」があるのも、ここフーミンフンです。大型ショッピングセンターのクレセントモール傍の遊歩道を歩いた先にあるインドシナを彷彿とさせるお洒落な外観。夜のみ営業のビュッフェレストランで、屋内は高級感漂う内装で、屋上はルーフトップとなっていて、ここから眺められるサイゴン川とその向こうのシティビューは必見です。
■住所
2 Phan Van Chuong St.Dist.7
営業時間:18:00~21:30
店内

店内

屋上ビュッフェ

屋上ビュッフェ

フーミンフンに宿泊することも可能

最近はagodaのようなホテル予約サイトで、フーミンフンにある高級マンションの日貸しが流行っています。マンションのオーナーが登録しているようです。日本では個人が他人へ部屋を貸すのは法律でいろいろと難しいこともあるようですが、ベトナムではこのようないわゆる"民泊"は普通になってきています。一泊7000円~1万円程度で借りることができます。大抵のマンションはプールやミニスーパーがついていますし、部屋はキッチン完備なので、そこらへんの安ホテルよりは断然素敵な滞在をおくれることでしょう。
ショッピングセンターで買い物をするのも

ショッピングセンターで買い物をするのも

スタバはどこにでもありますね

スタバはどこにでもありますね

7区のもう一つの顔。下町風情を感じる

フーミンフンという高級住宅地を歩いたあとは、もう一つの7区としての本来の顔を見てみましょう。4区と7区は似たような素朴な町並みが続いている下町的なエリア。フーミンフンやドンコイエリアなどに見られる清潔な店、綺麗な建物はなく、これが本当のベトナムだと言わんばかりの東南アジアらしい風景が広がっています。7区の川沿いは決して裕福とは言えない低所得者が暮らすエリアがあり、中には船上で果物や野菜を売って、売りさばくまで船内で生活するベトナム人もいるほど。ディープなベトナムの風景を見た気がします。
不思議な安心感を与えてくれる

不思議な安心感を与えてくれる

こんな風景も日本はかつてそこらじゅうで見つけることができました

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その7区も徐々に変わりつつある

1区の南方、川向うに広がる4区、7区、8区などは、低所得者層が暮らす町として知られていて、ホーチミン市内でも治安は悪い方に入るので、夜の女性だけの散歩などは向きません。日中は治安はよくのんびりとした時間を楽しめるものの、人の気配がない路地などは入らない方がいいでしょう。ただし、そんな7区や8区、4区にも近年は続々と高級マンションの建設ラッシュが続いています。もともと町の中心である1区の隣にありバイクで10分15分で行くことができることから、高級マンションは飛ぶように売れていき、それに便乗して土地価格も高騰しています。ベトナムのバブルは当分続きそうです。
食堂料理を食べてみては

食堂料理を食べてみては

豚肉。皮はぱりぱりでとっても香ばしいです

豚肉。皮はぱりぱりでとっても香ばしいです


いかがでしたか。7区は一見するとフーミンフン以外は観光エリアではありませんが、日本人旅行者にとっては、ベトナムにありがちの田舎風情こそが観光の醍醐味だ、という人も少なくないはずです。外国人向けに意図的に作られたドンコイエリアもいいですが、本当のベトナムを見たいという方は、7区に足を運んでみるのも有意義な滞在になることかと思います。以上、ベトナムナビがお届けしました。
関連タグ:7区フーミンフン

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2017-11-10

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