在住者が感じたベトナム人と日本人の10個の共通点

似ているようで似ていない。でも異なるようで共通点もたくさん!

こんにちは、ベトナムナビです。東アジアに位置する日本と東南アジア諸国に属するベトナム。歴史も違えば習慣、伝統、料理、風俗と何から何まで異なります。ベトナム旅行では、そんな彼らとの触れ合いも楽しみの一つ。異文化交流は海外旅行の醍醐味といえるでしょう。しかし、相違点はいくらでも思いつきますが、実は共通点も意外と多いのはご存知でしょうか。今回は在住日本人が感じた日本人とベトナム人の共通点を10個ご紹介したいと思います。

共通点1:大乗仏教

日本人に「宗教はなに?」と答えると、「特にない」という回答が多いです。これは世界からすると信じられないこと。日本は仏教の国ですが、宗派は大乗仏教が浸透しているので、いわゆる戒律の緩い大らかな宗教となります。なので、特に寺院に行く必要もなければ、家に神棚を飾る必要もないわけです。そして、ベトナムも実は同じ。タイやラオスのような戒律の厳しい仏教を東南アジアにイメージしている人も多いですが、ベトナムも稀に見る大乗仏教なので、熱心な仏教徒はいるものの、日本人と同じように「私は無宗教」と平気で言う若者も多くいます。なんだか安心しますね。

共通点2:儒教が発達。ビジネス社会では上下関係がはっきりと

ベトナムも日本も儒教が発達した国。年配者を敬い、尊敬します。それと同様に、ビジネスでは日本はご存知の通り、上下はっきりとした縦割り社会。日本企業の問題にもなっていますね。一方ベトナムも同じ。一見すると言いたいことをだ誰にも構わず言っているようですが、ベトナム企業もれっきとした縦社会で、年上は年下に対して権力を持ちます。ベトナム語でもそれは見て取れ、相手を呼ぶ二人称は自分から見て相手が目上(年上)か目下(年下)によって使い分けます。よって、ベトナムでも近年問題視されているのが、上司によるパワハラ。そしてセクハラです。年下の社員は年上の先輩や上司に何も言えずにパワハラやセクハラといったハラスメントを受けているのが社会問題となっています。

共通点3:東京と大阪はハノイとホーチミン

日本では地域差がくっきりとしていますね。その最たる例が東京と大阪。東と西で目に見えないライバル関係となっているのは、はたから見たらちょっと面白いです。実はベトナムも似たような関係を持つ都市があります。それが北の首都ハノイと、南のホーチミンです。首都はハノイですが、最大の経済圏はホーチミン。ハノイ人は日本の東京の人のように合理的で現実主義。また、ハノイの言葉は冷たく、人々も淡泊と南部人は言います。一方、ハノイ人も同様に、ホーチミン人は発音がだらしなく、料理もおいしくないと言います。さらに別地域を見てみると、中部の郊外は日本の東北に相当し、その独特の発音から、「君〇〇県出身でしょう?」とすぐに言い当てることができるとか。「彼らはベトナム語のなまりが強すぎて、何言ってるか分からないときがある」という都会っ子もいます。

共通点4:主食は「米」

「海外旅行に行ってもこれは譲れない」という人もいるかもしれませんね。日本文化の象徴とも言える米。白米。ご安心ください。ベトナムも日本と同様米が発達した食文化となります。ベトナム料理の定番にバインミーといったフランスパンに具を挟んだサンドイッチがあります。また、カレーやステーキを食べるときも、一緒に食べるのはご飯よりもパン。しかし、基本となる主食は白いご飯となり、町のいたるところに看板が出てる「com」という文字は、ご飯という意味となります。

共通点5:肉より野菜

日本は元来野菜と魚料理が中心の食生活をおくってきました。肉料理を食べるようになったのは、第二次世界大戦後のこと。比較的歴史は浅いと言えます。一方ベトナムも同様。自給率が高く、昔からの農業に恵まれていたベトナムでは、肉よりも野菜と魚が料理の中心でした。現在でこそ都心を中心に牛肉が出回るようになりましたが、まだ値段も高く、スーパーで誰もが気軽に買えるものではありません。また、ベトナムでも日本と同様に牛肉の他、豚肉と鶏肉はよく食べられていて、それ以外にはアヒル肉やヤギ肉などもあります。

共通点6:お茶文化が浸透

こちらも意外かもしれませんね。ガイドブックなどでは、フランス文化の名残を受けて、ベトナムは昔からコーヒー文化が盛んと紹介されています。しかし、そのさらに昔からベトナムは茶葉栽培が盛ん。ちなみに年間の生産高は日本よりも上です。ただし、ベトナムの茶葉は品質が悪いため、これまで輸出はされてきませんでした(欧米で一部)。ただし、スーパーや市場に行けば、ベトナム産の茶葉は数十種類と棚に並んでいるのを見ることができます。食後に一杯のお茶を習慣としている人にとっては、嬉しい情報ではないでしょうか。ちなみに、日本ではレストランに行くと無料のお冷(水)が出ますが、ベトナムではお茶が定番です。

共通点7:箸を使う

日本人が食事で毎日使う箸。実はこの箸を使う国は非常に限られていて、東アジアと東南アジアの一部の国くらいのものとなります。そして、ベトナムは日本と同様箸を使う貴重な国。食堂やレストランでは箸と併せてスプーンとフォークが置いてあるのも普通で、食べやすいものを使うことができます。ちなみに、ベトナムでは箸の持ち方は特に決まっていません。また、食べるときの「いただきます」と食べ終わったときの「ごちそうさまでした」という掛け声もありません。基本は黙って食べ始め、黙って食べ終わるという形です(笑)

共通点8:日本語とベトナム語に似ている言葉が多い

日本語もベトナム語も言語は中国の漢字由来となりますね。ベトナム語はいまでこそフランス人がもたらしたチューゴックと呼ばれる国語を使っていますが、それ以前は中国漢字圏のため、現在においてもベトナム語のほとんどの言葉は漢字に変換することができます。これができるのは、実は日本以外にはベトナムだけ。また、現代のベトナム語でも日本語との共通点は多々見受けられます。例えば、「注意(日本語):チューイー(ベトナム語)」、「結婚(日本語):ケッホン(ベトナム語)」、「孤独(日本語):コードン(ベトナム語)」といった風に、発音が非常に近い言葉がたくさんあります。ゆえに、難易度の高い声調言語であるベトナム語ですが、比較的日本人は単語の習得がしやすいとも言うことができます。

共通点9:世界に知れ渡る民族衣装

日本の着物、ベトナムのアオザイは世界でも取り分け美しいと注目されていますね。着物とアオザイにも共通点は多く、例えば刺繍。手先が器用な女性が施す刺繍は艶やかで独特の立体感があり女性を引き立てます。そして、「つつましい」という言葉を大切にするのも共通点。近年ベトナムはこの民族衣装であるアオザイをさらに世界に知ってもらおうと、ファッションショーを開催したり、有名デザイナーによる流行りのデザインなどを手掛けたりと文化の保全に尽力しています。

共通点10:美意識が似ている

最後はこちら。ベトナム人の有名デザイナーのシーホアン氏は「日本人とベトナム人は美意識がかなり似ている」と言います。具体的にいうと、同じものに共感し、同じものに美しいと感じ、同じものに似たような感性が働くということ。確かに、ファッションセンスはベトナム人も日本人に近いものがあり、「この服お洒落だね」と思うデザインは、たいていベトナム人も似たような気持ちを抱いてくれます。また、一昔前までは、ベトナムは「派手」、「モダン」をとにかく好む傾向にありましたが、最近は「古き良き」に親しみを覚えるようになり、日本人の感性と似通っている雰囲気があります。

いかがでしたか。ベトナム人と日本人の10個の共通点をご紹介しました。日本とベトナムとでは距離は離れていますが、なんだか親近感が湧いてきます。ベトナム旅行では、このようなベトナム人との共通点に着目して、彼らの生活を覗いてみてください。以上、ベトナムナビがお届けしました。
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記事登録日:2017-07-21

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