ベトナム新興宗教「カオダイ教」の総本山。さまざまな宗教が混じるカオダイ教では、釈迦もイエスもムハンマドも手を取り合う!
 
        
        
 
	
    
こんにちは、ベトナムナビです。ベトナム南部の観光エリアはホーチミンだけと思っている方はいないでしょうか。郊外のタイニン省には、何でもベトナム発祥の新興宗教が分布しているとのこと。その名も「カオダイ教」。今回はそのカオダイ教の総本山に行ってみました。
 
	
    アクセス方法
    
カオダイ教総本山があるタイニン省は、ホーチミン市内から北西に120kmほど進んだところに位置しています。タクシーで行くと、金額がものすごいことになるので、できればツアーに参加されることをおすすめします。また、ツアーでは礼拝の時間に合わせてくれるので、カオダイ教の活動を垣間見ることができますよ。ちなみに現在総本山は観光スポットになっているので、欧米人をはじめとした外国人観光客でいつも溢れています。
         
	
    カオダイ教の歴史
    
カオダイ教は1926年に二人の教祖によって発足されました。総本山のあるタイニン省では、人口の7割近くがこのカオダイ教と呼ばれる宗教に属していると言われています。また、親戚同士の絆が強いベトナム人の間では、身内の誰かがカオダイ教ということが多いので、当宗教に関して悪く言う人はいません。カオダイ教はタイニンのみではなく、メコンデルタ地方やホーチミンにもまばらに分布していますが、布教活動はうまく行っていないのが現状。特に最近は若者にウケがよくなく、カオダイ教から離れていく人も多いという深刻な悩みも抱えているようです。
  
	
    宗教概念
    
カオダイ教は『仏教』、『キリスト教』、『イスラム教』の三教に加え、儒教と道教を合わせた計5つの宗教を模範とした混合宗教となります。崇めるべき神様は釈迦やキリスト、ムハンマド。また、小説家のユーゴーや哲学者のソクラテスなども同様に祀っています。インドシナ戦争中には独自の軍隊を持っていました。これは宗教ではカオダイ教のみ。戦争から非難する人にとっては駆け込み寺としても機能していたようです。
 
	
    シンボルマーク
    
こちらの写真。ちょっと不気味だとは思いませんか? この一つ目のマークがカオダイ教のシンボルです。『天眼』と呼ばれこの目は心臓に近い左目。左目は心と繋がっているからだそうです。天眼の意味は宇宙の原理。宇宙から見下ろしているイメージでしょうか。アメリカの一ドル紙幣に描かれているピラミッドの先端には似たような一つ目がありますね。あちらはフリーメイソンが関与しているという都市伝説がありますが、果たしてカオダイ教との関係はあるのでしょうか……。
  
	
    カオダイ教総本山
    
タイニン省は人口約100万人。カンボジアとの国境に接している省の一つです。カオダイ教のみならず、由緒正しき仏教寺院が点在していることから、ベトナム人仏教徒は、テト正月のときに遠方からはるばる参拝に訪れます。カオダイ教の総本山があるのは、決して都会とは言えないのどかな風景の真ん中。大通りに面していて、近くでは観光客をターゲットにした露店やレストランがいくつかあります。
  
	
    
							 
					
							
		
		
    
      
      |   どこまでも続く平坦な道 |   |   のどかな風景。これもベトナムならでは | 
		
	
	
  
 
		
 
	
    
敷地内は非常に広く、さすが総本山といったところです。礼拝は1日4回『6:00,12:00,18:00.24:00』に行われます。敷地内や礼拝中は写真撮影はOKです。ただし、礼拝の時間が近づくと、門前には徳の高い僧侶の方たちが並びます。その時間、正門の前は歩いてはいけない決まりです。また、土足は厳禁です。
  
	
    
							 
					
							
		
		
    
      
      |   だだっ広い敷地 |   |   カオダイ教徒も続々と集まってきました | 
		
							 
					
							
		
		
    
      
      |   カラフルな服を来たこちらの方々は…? |   |   礼拝の時間までは日陰で談笑 | 
		
	
	
  
 
	
	
    
袈裟を身に纏ったこちらの方々は、先ほど触れた徳の高い方。色によって階級が決まっていて、一般の教徒は白色、黄色は仏教、青色はカトリック、赤色は道教となっています。それぞれ元に持っていた宗教は尊敬しつつ、カオダイ教に融合しているようです。彼らも写真撮影はOK。大分ラフな宗教ですね。これも布教活動でしょうか(笑)
  
		
 
	
大分人が集まってきました。教徒は先に中へ入り、見学をする観光客は一列に並びます。中へ入ると、教徒の方が誘導してくれるので、それに従ってください。
 
	
    
							 
					
							
		
		
    
      
      |   みなさんしっかり並びます |   |   これから礼拝がはじまります | 
		
	
	
  
 
	
    
礼拝堂は非常に広く、奥行きがあります。最奥部には丸球があり、中央にはシンボルの天眼が描かれています。見学者は1階もしくは2階から垣間見ることができます。仏教の読経やキリスト教のミサの様子とも雰囲気は異なり、なんとも形容しがたい空気が漂っています。また2階からは総本山の敷地内を眺望することができます。
  
	
	
    
合唱
礼拝が始まると、声明のようなものを淡々と読み上げられます。その次に、どこからか合唱が聴こえてきます。2階に上がってみると、子供たちが楽器の演奏に合わせて唄っていました。なんとも不思議な光景で、聖歌の雰囲気に似ています。
 
		
 
	
	
    
いかがでしたか。発展途上国に新興宗教はつきものですが、ベトナムのそれは、他とは一風変わっています。宗教に興味がない方も、一観光スポットとして楽しめますので、是非訪れてみてください。冒頭でも触れましたが、参加はツアーがおすすめです。
以上、ベトナムナビでした。