チャンパ王が建てた歴史的建造物。
こんにちは、ベトナムナビです。
ベトナムの中南部に位置するニャチャンは、現在は観光開発により一大ビーチリゾートに発展しました。
しかし遡ること1200年前、ここニャチャン一帯から中部ダナン付近まではチャンパという王国が築かれていて、北のハノイとも南のサイゴン(現ホーチミン)とも異なる文化、宗教、慣習が培われていました。
今回ご紹介するのは、そんなチャンパ王国が築いたとされるチャンパ寺院「ポー・ナガル塔」です。
チャンパ王国の歴史
チャンパ王国は2世紀から19世紀にかけて栄えていた王国で、中部から中南部にかけて支配していました。
ベトナムは古くから仏教が浸透していった国ですが、ここチャンパ王国ではインド文化を取り入れ、ヒンドゥー、イスラムが盛んでした。また、チャンパ王国は海に面していることからも交易により諸外国と商売を築いていました。これは豊富な資金の源と言われています。
チャンパ王国が築きあげた寺院はいまもなお中南部各地に点在していて、チャンパの末裔と呼ばれているチャム族たちの参拝の場所として愛されています。
入場
では早速チャンパの遺跡、ポー・ナガル塔を歩いてみましょう。
最初にチケットを購入します。
その正面の坂を上がると駐輪場があります。入場ゲートはチケット売り場付近にあります。
この坂を上がりきると駐輪場です
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入場ゲート。ここでチケットを渡してください
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坂の道中にはお土産屋が並んでいるので、せっかくだから覗いておきましょう!
ポー・ナガル塔内部でもお土産は多少販売しているのですが、こちらの方が品揃えは豊富です。
ただ、お土産自体は特筆するものはない普通のベトナム雑貨なのがちょっと残念ですね。
敷地内
入場ゲートをくぐると、そこはポー・ナガル塔の敷地内です。高くそびえている塔が垣間見えます。
階段をひたすら上がり続けましょう。
ちょっと一休み
階段を上がる道中木陰やベンチがありますので、しっかりと水分補給を行いましょう。とは言うもののそこまで歩くことはありません。
ポー・ナガル塔は小高い場所にあるので、ここから眺める町並みは絶景です。
塔と景色ともに楽しんでください。
ポー・ナガル塔
石段を上がりきりと、いよいよポー・ナガル塔が姿を見せます。
8世紀中頃から末にかけてジャワ軍が攻め入ったことにより塔は被害を受け、現在残っている祠堂は5棟のみとなっています。
塔は落ち着いた佇まいでありながらも威厳に満ちています。
眺めていると当時のチャンパの繁栄を物語っているかのように見えます。
塔内部
この塔は内部に入ることもできます。
内部にはポー・ナガルという女神像が安置されています。
現在でもヒンドゥー教を熱心に崇拝するベトナム人の方々が花と線香をやりにお参りに来ます。
彼らは非常に信仰深く、古くからの文化をいまだに守っているかのようでした。
塔周辺散策
ポー・ナガル塔の周辺にはお土産屋や展示室、休憩所などがあります。
是非一周して面白いものを発見してみましょう。
バッグや衣服などが売られています
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衣装をレンタルすることができます
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人物画をその場で書いてくれる画家を発見しました。
素早く鉛筆を動かし、その手つきは見惚れるほど軽やかです。
この土産屋はさまざまな形をした像が並んでいます。
主に売られているのはヒンドゥー教にちなんだもので、名物は「ガネーシャ」です。
シヴァ神とパールヴァティーを両親に持ち、頭は象で身体は人間という特異な体です。ヒンドゥー教の間では富や学問の神様として崇められていて、特に人気のある神です。
仏教でも同じような像があり、歓喜天や聖天とも呼ばれていますが、実はこのガネーシャが起源とされています。
不思議な形をした壺…きっとこれも売り物なのでしょう
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その場で撮った写真をカップや皿に映したものです。現在ベトナムで大人気!
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展示室
展示室ではポー・ナガル塔の発掘写真や昔の写真、民俗衣装や発掘品が展示されています。
どれも貴重なものばかりなので、是非余すことなく見学していってください。
シヴァ神の妻ウマ―です
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発掘当時の写真が展示されています
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民俗舞踊
1日数回一定の時刻に開催されるのはチャム族に伝わる民俗舞踊です。
ピンク色の衣に赤い襷を纏った若い女性たちがポー・ナガル塔主祠堂の裏で踊りを披露してくれます。
とても優雅な踊りで見ていると不思議と癒されます。
気づいたら見物客で大賑わいでした。
いかがでしたか。古代チャンパ王国が建立したヒンドゥー教の寺院。
チャンパ王国の歴史と宗教を少し垣間見た気がしました。現在もチャンパの歴史は研究段階で、今後の成果によってチャンパ王国の全貌も明るみになってくることでしょう。非常に待ち遠しいですね。
以上、ベトナムナビでした。