中部フエの宮廷料理を堪能♪一味違ったベトナム料理をお見逃しなく!
こんにちは、ベトナムナビです。ベトナム中部地方にはベトナム最後の王朝「阮朝」が栄えていました。現在では世界遺産にも指定されている阮朝王宮には13代続いた阮皇帝が長らく政権を握っていました。その時に皇帝や皇族が食べていた料理は「宮廷料理」と呼ばれ、現在では高級料理の一つとしてベトナム人及び外国人観光客から親しまれています。今回はフエ料理、及び宮廷料理の全貌をご紹介したいと思います。ベトナム名物料理として、観光にいらした際には是非ご堪能ください!
フエ料理は二種類ある
ホーチミンのレストランを回っていると、「フエ料理」という看板は見かけても、「宮廷料理」という文字は見かけません。宮廷料理というのは、かつてフエをおさめていた皇帝たちが食べていた料理を指し、フエ料理というのは、逆に皇族以外の一般庶民が食べていた家庭料理を指します。つまりフエ料理という大きなカテゴリーの中に、宮廷料理があると言えます。
本当の宮廷料理は食べられない?
まずナビが言いたいことは、「何をもってして宮廷料理と呼ぶのか」です。宮廷料理を定義づける料理というものは存在しなく、現在では「宮廷料理=高級食材を使ったフエ料理」が一般的な解釈です。例えば同じ揚げ春巻きでも、フエ料理と言えば豚肉のミンチが食材として使用されていますが、宮廷料理だとクジャクの肉が使用されています。しかし、クジャクの肉を扱うレストランなど現在はほとんど存在しません。よって、フエレストランに行けば、「宮廷風○○」と記載されていることでしょう。現代では本当の宮廷料理を食べることはほぼ不可能となっています。
フエレストランを探そう
宮廷料理を食べたい方は、まずは「フエ(Hue)レストラン」を探しましょう。メニューを見てみると、『宮廷』と中国語、もしくは『long dình』とベトナム語で表記されていますので、そちらを注文してみましょう。また、宮廷の表記が見当たらなくとも、現在ではフエ料理=宮廷料理の位置づけが外国人旅行者には一般的となっていますのでメニューに掲載されている料理を片っ端から食べてみるのもおすすめです。
バインコアイ(Banh Khoai)
バインコアは南部バインセオに似ている食べ物です。ただし、バインセオよりも味が濃厚で具だくさんなのが特徴。また、しっかりと生地が具を閉じているので食べやすく、日本人にも評判のいい料理です。付けダレはレストランによって異なりますが、主に2種類。1つはヌクマム。もう1つはマントム(海老を発酵させたタレ)です。マントムはクセがあるので、もし食べられない方はヌクマムで!
具がたくさん入っているのでボリュームがあります
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付けダレはお好みで。なにもつけなくとも美味しいですよ
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ブン・ティ・ヌン(Bun thit nuong)
ブンは米粉から作った麺です。「thit=肉」、「 nuong=焼く」という訳なので、ブンの上に焼いた豚肉が載っている料理です。こちらは庶民的な料理として人気があり、ベトナム全土で食べることができます。フエ料理の特徴は、濃厚な味わいです。ベトナム料理のフォーや生春巻きを食べ歩きしていると、なんだか物足りない気がしてくるかもしれません。「ヘルシーなのはありがたいが…」という方にはフエ料理がおすすめです。
麺、レタス、肉だけのシンプルな料理
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屋台でも食べることができます
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ゴイチャイバ(Goi trai va)
ゴイチャイバは豚肉や野菜、海老などを細かく刻み、特性のタレをかけた料理です。スプーンで掬い、海老せんべいに乗せてぱくりと食べます。お煎餅の香ばしい食感とタレに絡まっている肉や野菜がとてもマッチして、おやつ感覚で食べることができます。もちろんお煎餅なしでそのままスプーンで食べるのも美味しいです。
さくっとした食感が堪りません
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なんとも新しい味です
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ネムルイ(Nem lui)
ネムルイはレモングラスの茎に豚肉を巻きつけた料理で、通常はこれを野菜と一緒にライスペーパーに包んで食べます。豚肉はつくねのような食感なので日本人にも馴染み深く、生春巻きよりも味わいが深いのが特徴です。生春巻きは香草をたくさん挟むので、どうしても青臭くなってしまいます。それが苦手と言う方、自分は野菜より肉派!という方には是非おすすめです。
こちらがネムルイ
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ライスペーパーに包んでできあがり
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チャー・ヨー・クン・ディン(Cha Gio Cung Dinh)
こちらは豚のミンチなどが入った揚げ春巻きをレタスと一緒にヌクマムに付けて食べるシンプルな料理。ライスペーパーに包んで食べるとよりお腹が膨れます。具の中身はレストランによって若干ことなりますが、大体は豚や人参、イモ、海老、カニなどをミンチにしています。
日本の揚げ春巻きにも似ていますね
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ヌクマムがよく合います
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バイン・ラー・チャー・トム(Banh La Cha Tom)
米粉を餅状にして、その中に蒸した海老のすり身を入れた典型的なフエ料理です。ホーチミンではちゃんとしたフエレストランでないとなかなかお目にかかれない料理なので、見つけたら必ず食べておきたいところです。フエ料理の特徴は米粉を餅状にして食べることです。もちもちした食感はおもしろい味わいです。
こちらもヌクマムが必要不可欠。もっちりした食感が病みつきになります
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これはかまぼこみたいな食感です
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コム・セン(Com Sen)
蓮の葉に包まれた状態で出てくる、日本で言えばチャーハンのようなものです。海老や鶏、豚肉などを具にしたライスで、高級食材の一つである蓮の実がふんだんに添えられているのが特徴です。蓮の実は宮廷料理では欠かせない食材。安いレストランだとほとんど蓮の実が入っていないので、満足したい方はちょっと格式の高いレストランに行ってみましょう。
蓮の葉に包まれています
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ヌクトゥン(醤油)につけて食べるとより深い味に
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その他にもテーブルを彩るフエ料理
バイン・ベオ(Banh Beo)\n小さな小皿に出てくるもっちりした食感。ヌクマムを垂らして食べましょう
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バイン・ボッ・ロック(Banh Bot Loc)\n半透明の生地に海老が入っています
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バインナム(Banh Nam)\nバナナの葉の上に米粉とタピオカをペースト状にして海老のでんぶを入れたもの
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ブン・ボー・フエ(Bun Bo Hue)\nフエ料理の大定番。フォーよりも麺が太く丸いのが特徴。スープが濃く、うどんのような食感です
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宮廷料理を食べたい方におすすめのフエレストラン
モン・フエ(Mon Hue)日本語でフエ料理というシンプルな店名。実は複数店舗を展開する現地の人に人気のフエレストランです。宮廷料理と呼ばれるものよりかは、庶民派フエ料理を食べられるのが特徴です。値段もリーズナブルなので、三つか四つ頼んでシェアするのがおすすめ。ホーチミン1区中心から空港近くにもあるので、一度は訪れてみても。
<住所>
ビンコムセンターA店ビンコムセンターA 地下レストラン街 171 Dong Khoi & 116 Nguyen Hue Street,Dist 1.
ハイバーチュン通り店(1区中心)302 Hai Ba Trung Street,Dist 1.
グエンバンチョイ店(空港近く)178c Nguyen Van Troi Street.Dist Phu Nhuan.
ギ―スアン(Nghi Xuan)ドンコイ通りをハイバーチュン側に抜けた隠れ家的フエレストラン。内装は高い格式を思わせ、高級感が漂っています。本格的なフエ料理(宮廷料理)を食べたい方はこちらがおすすめです。小ぢんまりとした店内は夕食時になると外国人観光客で賑わっています。スタッフの対応も良く、味も申し分ありません。
ブンボーフエは定番料理ですね
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スプーンで十字に切って、ヌクマムを垂らして食べるのが正式な食べ方
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コド(Co Do) 日本語で「古都」と命名されたこのレストランは中級フエ料理を堪能することができます。コドオリジナルのフエスタイルから宮廷風料理まで種類は豊富にあります。一品約500円ちょっとと値段は他のフエレストランよりか少し高めの設定。ただし、味は文句なく、日本人駐在員の接待の場所としても使われています。
コドオリジナルフエ料理
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店内は清潔で穏やかな空気が流れています
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いかがでしたか。宮廷料理と呼ばれるフエ料理は現在では外国人旅行客を含む多くの方に愛されています。ベトナム料理の地方郷土料理としても格式は一段高め。レストランもフエにちなんで古風な装いとなっているので、雰囲気も楽しめるはずです。
以上、ベトナムナビがお届けしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-06-05